10日目 西安 城壁(永寧門) 大雁塔 陝西歴史博物館 鼓楼

まだ眠っている同室者を起こさないよう、ひっそりと部屋を出た。結局一晩を共にしたのに話はおろか、顔も見ることなかったが。ユースは西安城内の南、永寧門の近くにあったので、西安駅のある北側へバスで移動した。目指すは尚徳賓館、ドミトリーがあるという情報を得たからだ。ちょっと分かりにくかったがホテルを見つけ、空き状況を確認。一泊30元の部屋はすでに一杯、50元のドミトリーならOKという。今度は5人部屋だ。部屋へ行ってみると全員出かけているようだった。荷物を置いて永寧門へもう一度向かう。永寧門の前は書などを扱うお店がずらりと並び、いにしえの都、長安にタイムトリップしたような気になる。散歩にはぴったりだ。背中を丸めたおばあさんがリヤカーを引いて、その上に鉄板や食材を並べちょっとした屋台を出していた。朝食にと、薄く小麦粉を焼いて、中にネギや卵をはさんだクレープのようなものを買う。できたてはアツアツ、量もたっぷりでおいしかった。たったの2元(30円)だ。

 

お腹をいっぱいにして、南門(永寧門)から城壁へ上がった。すごい!!映画の世界のようだ。これだけの城塞都市は中国広しと言えどなかなかない。唐の時代の長安城を基にこの城塞を築いたのだという。ちょうど入場したときに、中央の広場でチベット民族の踊りが始まった。中国人の大型連休の為各地から観光客が来るので、そのイベントだろう。朝早いからか城壁はまだ混んでいなかったので、古代の中国をたっぷりと堪能できた。

城壁を降り、今度は大雁塔へと向かった。広大な土地に寺院があるのだが、これが近づけないほどの込み具合。何とか中に入ったが見学する気力も無くなるほどの人出だ。バスに乗るのも一苦労で、バスに近づくことも難しい。仕方がないのでタクシーに乗って陝西歴史博物館へと向かった。博物館へ到着した頃はすっかり疲れ果てていた。

気を取り直して博物館のチケットを買うが、これも買うのに一苦労という混雑ぶり。時間をずらそうと、一時間ほど人気のないエリアで休憩した。日本人観光客をちらほらとは見かけるが、ほとんどは中国人。ゴールデンウィークは日本人だらけだろうなぁと思っていたが、実際はあまり見かけることは無かった。圧倒的な中国人観光客パワーに押されて、私たち外国人は展示物に近づくことが難しいほどだったのだ・・・。

博物館から南門へ戻ってきた頃には既に夕方になっていた。宿に戻るには時間があるので、鼓楼に上がって見学する。鼓楼の前は公園のようになっていて、大人たちは凧揚げを楽しんでいた。鼓楼の周囲はちょっとした繁華街になっており、今風のショッピングモールが地下に広がっている。鼓楼の下をくぐるとそこは北院門街で、回族(イスラム教徒)の屋台がずらりとならんでいる。すごい煙!シシカバブを焼いているのだ。シシカバブは大串や小串があって、安くておいしい。民芸品などの屋台もずらりと並んでいて、煙が目にしみる中を歩いていると、シルクロードの起点として繁栄していた頃の都の下町をさまよっているかのようだ。見たこともないようなお菓子がずらりと並び、野菜のしゃぶしゃぶ屋さんに甘いお餅を食べさせてくれる屋台をはしごしていると、あっという間に夜になってしまった。


西安の町並み
現在は陜西省の省都である西安。かつては多くの王朝の都・長安とよばれ、2000年もの間中国の中心であったこの都は、かの秦の始皇帝を始め数多くの歴史上の人物の舞台であった。遣隋使や遣唐使が訪れたのもこの西安である。そして長い長いシルクロードの起点でもあった。
碑林博物館の手前にある文物市場、書院門古い文化街。墨に硯、拓本と見ているだけで楽しい。
竹の鳥かごには文鳥が。中国の人は鳥が大好きで、よくかごをぶらさげて散歩している姿を見かける。
南門(永寧門)の入口。明代に築かれた城壁は13kmにも及ぶという。入場料は26元。
古代の中国へ迷い込んだよう!!城壁の上は歩けるようになっていて、あちこちにお土産屋さんも。
西安はこの城壁を中心にして広がっている。城壁から西安の街を一望できる。
陜西歴史博物館。めちゃくちゃ大きく、時代ごとに展示されている。入場料35元。

街の中心を走る北大街。城壁の中は普通の都市が広がっている。
街のほぼ中央にある鼓楼。大きな太鼓がずらりと並び、昔はこれで時を知らせていた。 鼓楼をくるぐとアヤシゲな屋台街へと繋がっている。おいしそうな匂いにつられて、ついつい口にしてしまう。


宿へ戻ったのは既に22時に近かった。部屋にはいるとドイツ人の女性、それに韓国人の男性がおしゃべりをしていた。私もその輪に加わりおしゃべりをしていると、もう一人ドイツ人の男性が戻ってきた。今日はこの4人がルームメイトのようだ。誰もがきさくで、とても居心地の良い旅人たちだった。結局これからの4日間、彼らと共に過ごすことになる。

ドイツ人同士は面識が無いようだったが、2人ともこれから北京へと戻り、シベリア鉄道でロシアを抜け、本国へ帰るのだという!!走行距離は9,025Km(北京−モスクワ間)、6泊7日の旅だ。その間お風呂に入ることもシャワーを浴びることも出来ない。女性の方は途中、バイカル湖へ寄るのだそうだ。旅人にとってはあこがれのルートでもある。北京で手配すればチケットは約300ドルで手に入るとのこと。一つの旅で得た情報が、また新たな旅へのステップになる。話を聞いているだけでこちらがドキドキとしてしまった。あ〜、ウラヤマシイ。いつか私もいくぞ、と心に決める。今回の旅で新たに旅してみたい2つのルートが生まれた。それは敦煌で出会ったクレイグが話してくれた北京からウランバートル(モンゴル)への草原の旅と、今回2人が教えてくれたシベリア鉄道での旅である。
話はおもしろかったが身体はすっかり疲れていたようだった。そのうち誰かが電気を消し、あっという間に眠りについた。明日は早い。いよいよ待望の兵馬俑である。


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