ムアラ入港 − ブルネイ 2002年1月2日−


 実はブルネイは二回目だ。前回行ったときは新さくら丸だったな、と思い出す。あのときはお金を払っていった一般の参加者だったのだが、朝早くに起こされた上に、パスポートを渡され、「マレーシア国境まで行って」といわれたのだった。マレーシア国境越えをする参加者のパスポート200通をもって、バスの先回りをし、みんなが国境を越えようとする頃には全てのパスポートにスタンプが押され、すぐに通過できるよう段取りをつけるためだった。国境まで約2時間半。それを一日目、二日目と両日往復したことを思い出す。0からはじまったレンタカーの目盛りが一回転したものだった。あれが初ブルネイ(T_T;。
 

 今回はCIQ担当として初めての入港、そしてオリビア号も初めての寄港となった。着岸は06:00、ギャングウェイが降りると同時に、現地シッピングエージェント、官憲が乗船。ドニエプル・ラウンジは人であふれている。前回の国境であった事件が頭をよぎり、密かに思い出し笑い。前回マレーシア国境のイミグレブースで、先に現地入りしていた男性スタッフがいくら交渉を重ねても「一対一でないとパスポートにスタンプを押さない!」と言っていたのに、ダメ元で「お願い。時間がないの。パスポートにスタンプ押さなきゃダメ??」と笑顔で訴えてみたら効果絶大。あっさりと申し出をOKしてくれたのだった。お金持ちのブルネイ、袖の下はきかないが、女性の笑顔には弱いようだった。

 今日も笑顔で入国審査が始まる。イミグレは全部で9人。ブルネイで下船する人以外は、パスポートに入国と出国のスタンプが同時に押される。これは国、そして官憲によっても違い、ケースバイケースなのだが、入港時に入国・出国のスタンプがいっぺんに押されてしまう場合が多い。一日二日の滞在で出国するからトランジット扱いなのだが、これを理解してもらえず、そのまま出国してしまおうというお客さんもいる。パスポート上はすでに出国になっているのだから、これは非常にマズイのだ。その為、何日か前までに一時的に船を離脱する場合は申請してもらっている。今回は80人もの人がここで一時下船し、マレーシアの熱帯雨林などを楽しんで、シンガポールから合流することになっていた。



 ぺったん、ぺったん。全体的にのんびり南国ムードの漂う入国審査だったが、さすがに9人いると仕事も速い。6:20から始まった入国審査も7:30には終了し、無事マレーシアに行くツアーを時間通りに出すことが出来た。前回新さくら丸で訪れたときには入管が4人で非常に時間がかかったので、今回は増やしたのだ、とシッピングエージェントは言っていた。無事終了してから朝食。イスラム国なので豚肉を抜いてキッチンにオーダーしておくのを忘れてはならない。朝食を取りながら和やかにおしゃべり、それから写真撮影タイムとなった。ブルネイはわりと厳格なイスラム国なので、あんまり女性と写真を撮る機会がないのかもしれない。ここまできたら仕事のほとんどは成功したと言っていい。お友達になること、これが非常に大切なのだ。もし何かアクシデントが生じても、何とかしてもらえる可能性が高いから。
BSBの黄金のモスク。ジュルドンパークの
写真がないことが、つくづく悔やまれる。

 さて、無事仕事を終えた私達は、首都バンダリスリブガワン、通称BSBへと向かった。BSBは着岸したムアラ港から車で30分くらいのところにある。バスも出ているが、基本的に車の無い家などない(車の普及率は日本以上だ)ので、利用者は限られ本数も少ない。ブルネイの見所は黄金のモスクや王宮、水上集落といったところか。日本にはあまりなじみのない国だが、実は日本はブルネイで算出される石油の4割、天然ガスの99%を輸入しているという。石油と天然ガスで潤ってきたこの国も、資源の涸渇が目に見えている。これからは観光にも力を入れていこうということだろう、今年は観光奨励の年だった。その割にはどこにいっても相変わらず人が少なかった。そんなブルネイの最大の見所は「ジュルドンパーク」。これはブルネイの王様が私財で作った遊園地で、広い面積にたくさんのマシンを取りそろえた世にも珍しい王様の遊園地だ。前回訪れたときは「世界唯一の完全無料遊園地」だったが、昨年くらいから有料になったとのこと。20:00〜02:00がオープン時間というのも、熱帯の国らしい。

 出港が24:00ということもあり、一時間くらいしかいられないけど、取りあえず行ってみようと出かけた。この間よりもひとけが更に少ない。これではまるでゴーストタウンだ。誰もいないのに回っているメリーゴーランド。ブルネイのこれからを暗示しているかのような遊園地、といったら失礼だろう。しかし、そんな印象を誰にも与えたのではないか。福祉・教育は無料、さらに税金も無料。そんなおとぎ話のような国、ブルネイ。この国はこれからどこへいくのだろう。



 23:00、帰船リミット。全員が乗船したのを確認し、すぐにギャングウェイを上げて出港する。これからシンガポールまで天候の不順が予想されるので、できる限り早くシンガポールに向かいたいという船側の意向を受けてだった。

モドル

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